大神生誕SS 続き其の弐

…続いてしまいました。スミマセン…。
次回更新ではラストまで一気にアップしたいと…(滝汗)



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前回



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「どうした?」
「いやぁ、別に〜」


声を掛けると一瞬ビクリと肩が震えたが、こちらに振り返る時にはいつものへらりとした笑みを浮かべている。
何だ?


「それより、どうだ大神。何か思いついたか?」


畳み掛けるように尋かれた事へ緩く首を振って答える。


「でも欲しいモノの一つや二つあるだろう?」
「…そんな急に云われても思いつかないよ」


苦笑混じりに返してみてもそんな俺の答えには納得がいかないらしく、奴らしくもなく唸りながら睨んで来る。睨まれたって思いつかないんだけど…。


「いいや、絶対何か欲しいモノがあるはずだ!」


そう云って「勿体つけるなよ、大神ぃー」等ととうとう騒ぎ始めた奴に大袈裟に溜め息を吐く。気を取り治すと、用意した茶器にお茶を注ぎヤツへと渡しながら一つ質問をした。


「じゃあ、そういうお前はどうなんだよ?」
「え?」
「欲しいモノ、何ていきなり尋かれて思いつくのか?」
「おぅ! 勿論だとも!」


意趣返しのつもりで尋き返したのに、やけに自信満々な雰囲気でおまけに満面笑顔で答えてくる。
うわ、イヤな予感。


「あ、やっぱり…」
「俺が欲しいのは大神だ!」


みなまで云い終わる前にきっぱりはっきりと加山がそんな事を口にする。わざわざ手にしていた茶器をサイドテーブルに置き、ご丁寧に脇に腕を添えて胸までそらしてる。
俺はと云えば、その回答に思わず膝を付いてがっくりとうなだれた。


「何だ何だ、どうしたんだ大神ぃ」


そんな俺に手を差しのべながらにやにやと笑っている。コイツ、判っててやってるな…。


「余りにも予想通りで聞いただけで疲れたんだよ」


じとりと睨み上げながら差しのべられた手を掴んだ。ニヤついた顔が癪に障って掴んだ手を力任せに引いてみる。ベッドへ座っていた加山は流石に不意の事にバランスを取られ、床へと倒れこんでくる。それを掴んでいなかった方の腕を床に着く事で咄嗟に回避した。


「っつ、」


だが、瞬間ニヤついていた加山の眉間にシワが寄り、堪えきれなかったのか声が口から漏れた。


「え、ナニ―」


加山を見ると床に着いた左腕の肩の辺りに片手を添えて顔をしかめて居たが、俺と目が合った途端しまったと云う表情を一瞬顔に履くと、殊更戯けたように相好を崩す。


「…お前、」
「なぁ〜んてな! 驚いたか、大神」


ぱ、と両手を上げて笑う。だがそんな事に誤魔化される自分じゃ無い。