月花話 7

すっかりデータとしてPCに入れたら、ブログに挙げた気になってた自分が居るon_。・・・まぁ、実際問題コレを読みに来てる人が居てるかどうかも甚だ怪しいんだが、自己満足で頑張る。
しかし、今回かなり短い上に後で手直しするかも。



・・・どんどん考えていたオチ(オチ云うな)と方向性が違って来てる気がする・・・(汗)。



前回


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しかしそのまま扉の開く音を待っていたが、音は一向に聞こえてこない。相手が幾ら隠密行動に優れているとは云え、こんなに静かな屋内に於てドアノブの回る音も蝶番の軋む音も全く聞こえないなんてあるだろうか。
そんな事を訝しんでいたら、不意にギシリとベッドが軋み間近に体温を感じた。


「え――、」


くしゃりと小さく頭を撫でられたその腕で、そのまま暖かい腕の内へと抱き寄せられる。
驚きに俯いて固まったままだった顔をのろのろと抱き寄せた相手の方へ向ける。
加山はそんな俺を見ておかしそうに笑っている。


「なぁ〜にそんなに驚いた顔をしているんだ大神ぃ?」
「だっ、て・・・」
「『呆れて出ていったと思った』、か?」


どう続けたものかと云い淀んだ言葉の先を加山が続けた。その内容の的確さに、バツが悪いなと思いながらもこくりと一つ頷く。そんな俺に加山は自分の肩口に俺を抱き込んだまま、抱き寄せた腕で少し強くぐりぐりと頭を撫でる。


「まー、『呆れた』のは合ってるが、だからと云ってソレ位で弱ってるお前を一人に何かしないぞ〜」


そう云うとワザとらしく大仰に溜め息を吐いて続けた。


「俺は悲しいぞ〜、大神ぃ。お前にそんな冷たい奴だと思われていた何てなぁ〜」
「…イヤ、別にそういう訳じゃ…。…ソレに別に弱ってなんていない」


これみよがしに云われた言葉には思わず口篭もってしまうが、その前の内容にはきっぱりと反論する。
例えそうだとしたって『弱っている』等とはっきり云われては認めたくない。
否、認められない。
キッと眦を上げて睨みつけた俺に加山は苦笑をして今度はまるで子供を諌めるようにポンポンと頭を撫でてきた。その様がまるで馬鹿にされているように感じ、元々感情が高まっていたのも相まって振り払うように強く振りかぶる。
そんな俺の行動も予測の内なのか、加山はさして驚いた様子も無く振り払われた手を宙に浮かせたまま、降参と云うようにひらりと振る。
そんな余裕シャクシャクに見える様も俺の今の高ぶった感情には火に油だった。