月花話4

出来てる所までアプ。
漸く隠密隊長出てきました。出てきただけで終わってるが。
そんで誤魔化し様の無い設定ミス発見on_。…ごは(血反吐)。



そして、何処迄続くんだろう…。





前回



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(…暖かい)




不意にそう感じた。
「う〜」だか「む〜」だか微かに掠れた唸るような声が聞こえるなぁ、と思ったら自分の声の様だった。



(…?)



一瞬自分の置かれている状況が判らず呆ける。
自分は今ナニをしていたんだっけ?
状況を確認しようと無意識に目を開けようとしたコトで眠っている事実に気付いた。



(…あぁ、そうか。急に具合が悪くなって…)



そこで何とか自室に辿り着いて倒れ込む様に意識を無くした事を思い出す。



(…今、どれ位経ったんだ?)



視界が暗くて外の様子が判らない。そこでもう一度眠ったままの事実を思い出す。
目を開けよう、と思ったが予想外に瞼が重い。
そんな事に、そんなに具合が悪いのか、と妙に冷静に思いながら更に瞼に力を込める。
ようよううっすらと瞼が持ち上がり始めた。しかし視界は相変わらず暗いままだ。



「…あ?」



そう思わず声を出した途端、暗かった視界が一気に広がった。
そして急に入ってきた外界の光はそんなに強い物では無かったが、それでも真っ暗だった視界が一気に広がると少し目が痛い気がして咄嗟に目を強く閉じ身を竦ませる。すると少しゴツゴツしているが柔らかく暖かいモノが、守る様に瞼の上からそっと乗せられた。
そして、その感触には覚えがあった。



(先刻までも、こうしてあった…?)



やはり暗かったのは何かが視界を塞いでいたかららしい。
しかし、じゃあこの視界を抑えてくれている物は何だろう、と至極当然の疑問に思い至った時、その載せられている物が今度は先程よりもそっと瞼の上から外された。ゆっくりと光が視界に入ってくる。
広がる視界の中で、今度は光によって影になっているモノが目に入ってきた。瞼の遮蔽物はソレから延びている様だ。



「…気が付いたか?」



ソレがナニかをぼぅ、とする頭で思いつくより早く音が聞こえた。
その音は落ち着いた重低音でとても耳に心地好い。そしていつも困った状態に居ると何処からともなく現れ、その耳に良い音で助言をくれる奴の声だと気付いた。



「…か、やま」
「いよ〜ぅ、大神ぃ」



そう云って柔らかく笑いながら俺の頭をくしゃりと撫でる。先程まで瞼を抑えていたのは加山の手だったらしい。その手は暖かくてとても気持ち良い。ともすればその手の気持ちよさに又意識が途切れそうになるが、漸く開けた瞼に力を入れて下がってくるのを堪える。



「ど、うして…、」
「あぁ〜、無理して喋るなよぅ〜?」



そして当然の疑問を問おうと口を開きかけたが、加山の声にやんわりと制される。それもそうだろう。俺の声は寝ていた事と熱の為か、掠れきっていた。言われるままに疑問を飲み込む。そんな俺の様子に加山は笑みを深くする。…何となく癪には障るがしょうがない。



「…ふむ。熱もだいぶ落ち着いたか」



俺を頭を撫でている手はそのままに、空いている手を自分の額に当てると少し神妙な顔をして加山はそんな事を告げた。そして俺と目が合うと溜息交じりに続ける。



「とは云っても安静には変わりないからな、大神ぃ」



動くなよー、と言い残すとこちらに背を向けて部屋を後にする。そして少しするとグラスを片手に戻ってきた。