試し置/月花話

完結してない話だが、試しに置いてみる。
気が乗ったら終わるかもね・・・<オイコラ。
しかし初オンライン活動っぽいのがサクラ大戦・加山*大神話って、どうなのサ・・・。





――風邪をひいた。



しかも、降魔との戦いが一段落して漸く帝劇本来の活動を再開、と言うタイミングで。



まだまだ戦いの爪跡は銀座のアチコチにも見てとれる位で、華々しく活動再開とはいかないが、だからこそ慰問も兼ねて帝劇スターである彼女達が病院等を回り皆に元気を、と言うとても大切な活動を始める矢先に。
勿論、外に出るからこそ有るだろう雑用その他をこなす為に、多少の無理は通すつもりだった。と言うよりは、士官生時代だってこれ位で寝込んだりはした事が無いので、自分的には無理の内に入るつもりも無かったのだが、彼女達自身から『休んでいて貰わないと心配で劇に身が入らない』と言われてしまうとどうにも弱ってしまった。
しかし、普段なら裏方として助けてくれる月組も、今現在は事件の事後処理に走り回っていて全く帝劇内で姿を見かけない。勿論そんな彼等に幾ら意義有る活動だからといっても慰問に迄付いて来て貰える様頼める訳も無い。
だから、と再度手伝いをかって出てみたが、椿くん達だけで無く、支配人で在る米田中将迄借り出して俺の仕事は何も無いから、と言われてしまっては流石に『それでも行く』とは言えず、困った様な笑みを浮かべて帝劇の前で出かけて行く皆に手を振って見送るしか無かった。
慰問はこの際だからと広範囲に渡り、皆は暫く帝劇迄戻らずに活動を続ける。
なので俺は一人でのんびりと静養に専念するしか無かった。
しかし実際に静養に専念できたのは初日だけで、元々日々健康に過ごすことに慣れた身体には、幾ら体調不良とは云え一日寝てるのが限界だった。
体調は完全復帰とはいかなかったが、普通に動き回るには全く問題を感じ無かったので、皆が出かけたのを是幸いと普段はできない場所の片付けに精を出す事にした。



今思えば、その慢心とも思える行動がまずかった。





四日目、朝から小雨が降って少し肌寒い日だったが、朝何時も通り定刻に起きて朝食を済ませた後、皆が帰ってくる前の最後の大仕事と舞台回りの清掃にとりかかった。流石に一人では余り大がかりな事はできないが、それでも普段よりは一人な分作業に没頭できる。
そうしてひとしきり労働の汗をかいた。
唯でさえ肌寒い日だったのだから気をつけるべきだったが、作業に集中する余り気付かなかった。
ついでに云えば、ーーこれも考えてみれば前兆だったのかもしれないが、何故か昼時にもさして空腹を覚えず、作業にその侭集中していた。
ふと気付いた時は午後もだいぶ回っていて、昼飯を食べるには中途半端な時間になっていた。